2025年シーズンの関東ロードミニ選手権「HRCトロフィー:GCクラス」への参戦を終えました。
NSF100で本格的にレース活動を行い、今年で3シーズン目となります。
今シーズンを振り返ると、ようやく霧が晴れ、進むべき方向性が見えてきた一年だったと感じています。
結果だけでなく、マシンセットアップ、ライディング、身体づくりまで含めて「検証できたシーズン」でした。
本記事では、関東ロードミニ選手権2025/HRCトロフィー活動報告として、レース結果、マシン仕様、セッティングデータ、そして今シーズンで得られた検証結果をまとめます。
これからNSF100でレースに挑戦する方、タイムに伸び悩んでいる方の参考になれば幸いです。
目次
1.レースリザルト
①ベストラップ 目標タイム差
②順位
③ポイントランキング
④各レースインプレッション
2.マシン仕様
3.セッティングデータ
4.検証結果
①ライダー体重
②ブレーキング
③フロントフォークオイル粘度
④スタート手順
⑤レインタイヤ
5.まとめ
1.レースリザルト
3シーズン目の2025年は下記2点のレース目標を設定しました。
1.関東ロードミニ選手権 全6戦出場
2.関東ロードミニ選手権、各戦の目標タイム
結果、№1は全6戦出場し目標クリア。№2は全戦目標タイムクリアできなかった。
①ベストラップ 目標タイム差
自身が最も重要視しているベストラップです。後半3戦がウエットコンディションの影響もあり、目標達成は全戦できなかった。第1戦と第2戦では多少ベストラップ更新しましたが、今シーズンはタイムについての結果を残せませんでした。

②順位
第1戦から初のクラス3位表彰台を獲得し、第5戦ではクラス2位表彰台と、総合8位の1桁フィニッシュできました。また決勝中に前車を追い抜くとこも経験し、ようやく皆さんとレースできるペースまで成長できたと実感しました。


③GCクラス ポイントランキング
昨シーズンはクラス5位でしたので1つ上がりクラス4位獲得しました。前年チャンピオンが不参加だったのと、参加台数が3台少ないシーズンだったので、成長したとは言えない結果になりました。

④各レースインプレッション
■第1戦 ロングコース ドライ
スタート手順はまだ探っている状況なので出遅れて順位を落とす。その後レース中に初めてパッシングを成功させ、クラス3位の初表彰台を獲得した。
■第2戦 ショートコース ドライ
事前練習で前後サスペンションのスプリングレート(前後共ハード)が、現ライダー体重「71㎏」では重すぎてコーナーリング時の車体姿勢が崩れ旋回性能が落ちていることが判明。その状態でレースに挑んだが1コーナーでフロントタイヤがスリップし初の転倒リタイヤとなる。
■第3戦 ミドルコース ドライ
事前練習から気温30度以上でエンジンパワーが下がり、ライダー体重減量は対応中のためタイムも出ない。決勝は未だにスタート手順が定まらず出遅れ最下位スタート。その後もペース上げれず単独クラス4位でチェッカー。
■第4戦 ロングコース ウエット
昨年第1戦以来の2度目のレインレースとなった。前回は極寒の初レインだったこともありヒザも擦ることなく終わったのだが、今回はしっかり攻め込めた。また今回でスタート手順がほぼ確定し良いスタートができた。良いスタートができたことで他車と同じタイミングで加速していくと、シフトアップのタイミングで体重の軽いライダー達に離されることが分かった。レースはジュニアライダーを抜けずクラス最下位でチェッカー。
■第5戦 ショートコース ウエット
練習・予選とドライだったがベストラップ更新はできず。決勝コースイン直前に雨が降りウエットレース宣言が出たが、自身はドライタイヤで決勝スタート。ハーフウエット路面だったので何とか順位も上げクラス2位完走し、今期2度目の表彰台を獲得。
■第6戦 ミドルコース ウエット
ライダー体重を5㎏減量し、事前練習でフォークオイルを粘度落としテストを行うことで、想定外の良いセッティングの方向性が見えた。レース当日はフルウエットで予選2位を獲得したが、スタートでウイリーしてしまい出遅れた。使用しているレインタイヤがかなり古くゴムが硬化しているため、気温5度ではまったくグリップせず追い上げも出来ずクラス3位でチェッカー。
2.マシン仕様

■車体仕様変更
・ハンドル取付け角度を広げることで、コーナー旋回中のハンドル操作、特に右コーナーのアクセル操作が向上した。
・シートラバーをアイ・ファクトリー社「滑り止めタイプ」へ変更し、マシンホールド性が向上した。
・フロントブレーキパッドをベスラ社「2RJL」から、より初期制動の強い「WX」へ変更し、コントロール性が向上した。
・リアブレーキパッドをベスラ社「2P」から「STD(純正品)」へ戻し、使用頻度が増えたリアブレーキの操作性が向上した。
■サスペンション仕様変更
・リアサスの規定ガス圧を「18㎏」から「20㎏」へ変更し、バネレート不足の対策としたが期待した効果はなかった。
・フロントフォークオイルの粘度を落とす方向でテストを行い、路面追従性が上がりマシン動作が向上した。
■他仕様変更
・整備中にキャブフロートのネジ山破損の為、一式交換。
・アイ・ファクトリー社でエンジンフルオーバーホール。
3.セッティングデータ

■ファイナル(スプロケ)
ミドルとショートコースでは【14-36】を使用中。ロングコースでは【14-35】を使用中だが、ホームストレートが強い追い風の場合はストレートエンドで5速ふけ切る場合がある。
第6戦のレインレースでは「2丁ショート」と同効果のフロントスプロケ「1丁ショート」を使用し、期待通りの結果を得られた。
今後のタイムアップの為に、アベレージスピード向上の目的で、各コースでよりロングファイナルを使用予定。
■タイヤ
ドライ、レイン共にダンロップタイヤを継続使用中。
ドライリアタイヤはメーカー推奨時期に合わせ3種のコンパウンドを使用中。
レインタイヤは「TT72GP」中古購入1セットを3シーズン使用中。製造後数年経っているのでゴム硬化が進んでいる為、低気温ではグリップ力が著しく劣る。来シーズンのレースには新型「SPORTMAX RAIN」の新品タイヤ導入予定。
■キャブセッティング
2シーズン分の気候毎のセッティングデータがある為、セッティングに迷うことは無くなった。
■フロントサスペンション
走行初期からの課題だったフルストロークでの底付きは、ライダー体重減量とフロントブレーキの使い方で残ストロークに余裕が出来た。その為最終戦前にはフロントフォークオイルの粘度変更のテストが行えた。
■リアサスペンション
第2戦の事前練習でレギュレーション上使用できるスプリングレートは、現ライダー体重では重すぎて旋回時の車体姿勢が後ろ下がりになり、旋回性能が低くなっていた。旋回性向上の対策はライダー体重減量のみ。
4.検証結果
①ライダー体重
2022年末のマシン購入時は76㎏程体重があり、その後減量を行い今シーズン開幕時は71㎏程まで体重を落とした。しかしレギュレーション上で使用できるハードスプリングでも、70㎏以上は重過ぎて車体姿勢が後ろ下がりになりコーナーの旋回性が落ちると確信した。
NSF100の想定ライダー体重の公式発表は無いが、体重50㎏ライダーの走行後のサスペンションストローク量や、コーナーリング中のマシンの動き等を観察した結果下記の様に推測してみた。今後は60㎏を目標に減量継続して、本格的なサスセッティングは減量目標達成後に行うこととした。
【推測】リアサスペンションの純正品スプリングレート別、推奨ライダー体重
ソフト:18.0kgf/mm = 45㎏前後
STD:18.5kgf/mm = 50㎏前後
ハード:19.0kgf/mm =55㎏前後
②ブレーキング
ミニバイクレース経験者なら常識だと思うが、本クラスでのブレーキング(=減速操作)は単独操作をほぼ行わず、バンキングとブレーキングを同時に行い「減速しながら進入する」と理解した。
この操作は250㏄以上の車両で長年ロードレースを経験してきた私にとっては、とても違和感がある操作だった。ロードレースではストレートエンドでブレーキングを開始し、ブレーキングリリースしながらバンキング開始という操作が身体に染み込んでいた為だった。2023年、2024年はロードレースのブレーキング操作のクセが残り、コーナー侵入時にブレーキングが強すぎ速度を落とし過ぎる傾向だった。
今シーズンになり「体感より速度が出ていない」「車体が軽いので減速しやすい」「タイヤグリップが大きいのでバンクするだけで減速する」等を理解し、徐々に「減速しながら進入する」ブレーキング操作が出来るようになった。その効果もありフロントフォークの残ストロークに余裕ができた。
③フロントフォークオイル粘度
昨年まではライダー体重とブレーキングし過ぎる傾向から、純正ハードスプリングや油面アップ等を行ってもフロントフォークが沈み過ぎ、常にフルボトム状態だった。その対策でかなり粘度の高い(最大110番で現在60番)フロントフォークオイルを使用して走行していた。※底付きからの転倒防止対策だけが目的で、タイムアップの為ではない。
今シーズンになり、体重減量とブレーキング操作の向上でフロントフォークの残ストロークに余裕ができたので、第6戦の事前練習で粘度の低いオイルをテストし下記3点のポジティブな結果を得られた。
【1】コーナー立上りでのフロントタイヤの接地感を感じた。特にミドルコースの1コーナーではクリップポイント過ぎからフロントタイヤが路面に食いつき旋回をしているのがはっきり感じた。
【2】ブレーキリリース後の初期旋回力が強くなった。9コーナーで今まで通りのポイントと速度で進入すると、フルバンクしなくても旋回してしまいアクセルを手前からあけないとイン側縁石に乗ってしまう感覚だった。
【3】M字区間の切り返しでは、フォークオイル粘度を落とすことでサスペンションが素早く動作するので、切り返し時の慣性が減り「ヒラッ」とマシンが軽く動くようになった。
結論、課題だった旋回力不足・フロントタイヤの接地感不足は、フォークオイルが硬すぎていたのが大きな要因だった。その影響でフォークの動きが遅くなり、 車体の姿勢変化に対してサスペンションが遅れて動くことで、バイクが「曲がらない」「重い」と感じていたことが解明した。
④スタート手順
第4戦でやっと納得いくスタートできた。以前の手順ではクラッチに熱が入る為か、スタートの蹴り出しが弱く他車に離されていた。
【以前】リアブレーキを踏み込み、エンジン回転を一定にキープし、半クラッチでチェーンたるみ取り待機からのスタート。
【現在】リアブレーキを踏み込み、エンジン回転を一定にキープし、クラッチ切ったまま待機からスタートでクラッチミート。
⑤レインタイヤ
本クラス参戦当初からレインレースには結果を求めておらず、現在のレインタイヤはネットショップで購入したスペアホイルについていた2016年製造の新古品を3シーズン使用している。
ここまで古くゴムが硬化したタイヤは気温が高い夏場はグリップ力を感じるが、第6戦は気温5℃だったのでまったくグリップしなかった。レース結果的には良くないが、気温差から起こるグリップ力の差を経験できたのはとても意味があった。
来シーズンはレインレースも結果を求め新品タイヤ導入予定なので、どこまで攻め込めるかが楽しみだ。
5.まとめ
昨シーズンから「曲がり辛い」「曲がらない」と感じていた。その為コーナーの進入速度や旋回速度も上げれず、また早くアクセルを開けることも出来ず、前後共にタイヤのグリップを使い切れない状況だった。
今シーズンに入り練習走行から新品タイヤでテストを行った結果、ライダー体重が重すぎて旋回性能が落ちていると判明した。今後の最優先事項を「ライダー体重減量:目標60㎏」とした。
これで攻めきれない要因と対策方法が分かり、また3シーズン分の蓄積されたデータと経験を元に、来シーズンは最低目標を「クラス初優勝」としそれ以上の結果を目指す。
この記録が、NSF100や関東ロードミニ選手権、HRCトロフィーに挑戦する方のヒントになれば嬉しいです。
